11. 安全管理
11−1.FDCの診療安全に対する取組み
患者さんを不安なく安全な治療を行うためにFDCでは 昭和57年に詳細な安全マニュアルを作成しています。 その後、改善を重ね、現在、安全のためには6項目の マニュアル作成と2項目の要員訓練要項が定められています。
安全はマニュアルを作成すれば安全というわけでは ありません。安全確保は人によって行なわれるものです。 FDCではマニュアル知識の徹底のために、一定期間毎に OJT試験ならびに実践上の訓練を実施しています。
また毎年、3月末には安全マニュアルの見直しが 行われ必要項目の改善や追加が行われています。
- 1)基本マニュアル項目(知識基準)
- 1.全身管理上の事故防止
- 2.院内感染防止(12.感染制御技術を参照)
- 3.X線被曝、レーザー照射による事故防止
- 4.治療器械などの故障による事故防止
- 5.薬品(副作用も含む)による事故防止
- 6.冠、義歯などの安全性
- 2)要員訓練要項(行動基準)
- 7.要員に対する安全意識の徹底と訓練
- 8.要員による安全セミナーの受講義務
11−2.安全管理の一例(患者バイタルサイン監視システム)
安全に関しては多くの項目がありますが、ここでは患者さんに 麻酔を用いた手術中の安全管理の一部をご覧戴きます。
■患者監視モニターの必要性患者さんにとって歯科処置は常に恐怖と不安のつきまとうものです。 そのため施術中はできるだけ緊張の緩和につとめていますが、やはり簡単な手術や痲酔を施す場合、 患者さん自身はそれほど緊張していないと思っておられても高血圧症の方は 意外と高い血圧を示します。
例えば処置直前の血圧測定では135/87でしたが抜歯処置を開始後、 わずか6分後には(Photoー1)に示しますような非常に高い血圧値を示します。 このような血圧では処置を強行するより一端中止をして、 しばらく患者さんの容態を安定させる処置が優先します。
このように高齢者の方は降圧剤を服用されていても心理的、 生理的な負担がかりますと短時間にハイリスクに変化致します。 そのため、手術時の比較のために事前に通常の診療時に血圧、脈拍数、酸素分圧(SpO2)、 脈波の波形、不整脈の有無などのバイタルサインデーターを 取っておく必要があります。
また、心臓の悪い患者さんの長時間処置には脈波だけでは不十分ですので. ICU(集中治療室)モニター(Photoー3)による 心電図波形のモニターも行っています。 このような患者さんには慎重に酸素送流法をおこなうことにより 術中の安全確保だけでなく、術後の疲労も軽減します。
当然、AEDの装備とスタッフを含めた定期的な緊急操作訓練が必要であることはいうまでもありません。
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