13.FDCスタッフの教育

1.FDC歯科助手の心得

高度な臨床技術を実現するためには多様な検査機器や治療装置、さらには多くの種類の器材が必要になります。当然、これらの臨床業務をサポートするためにはハイレベルの歯科助手が必要になります。一方で、患者さまに接する歯科助手はやさしさと信頼感のある存在でなければなりません。

そのためFDCのスタッフ教育は技術教育に先立って、患者さまに対する優しさや、思いやる心の大切さを認識して戴くことから始まります。この医療の原点に対する意識が欠けたままで、いかにマニュアルどおりに行動していても患者さんとの信頼感を築くことは困難である、と考えるからです。

2.歯科助手選抜法


公募ならびに推薦から選抜いたします。なお、選考は下記の条件に従って行ないます。

  • 1)医療の仕事に対する適性
  • 2)対人調整能力
  • 3)新技術に対する修得意欲

3.導入教育

3−1.教育、実技訓練

導入教育は永年の経験から作成されたFDC業務マニュアルに基づいて「知識付与」と「実技指導」を行ないますので短期間で一定の能力に到達します。教育概要は以下の通りです。

A.業務関連の知識

  • ●FDCにおける勤務の心得
  • ●仕事に必要な知識:
    • 1)診療室で使用される専門用語の知識(Photo―1)
    • 2)医院で使用する器材とサポート方法
    • 3)保険請求システムならびに医療情報システムの概要
    • 4)窓口業務に関する知識

Photo―1.教育実習中のメモ
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B.支援業務の実技指導

  • 1)患者さまへの安全と安心に必要な行動原則の指導
  • 2)診療業務の介助(Photo―2)
  • 3)保険請求システムの操作実技
  • 4)感染防止の実技
  • 5)ハイテク機器の支援実技

Photoー2.印象剤の練和実技

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冠や充填物を作成するために歯形をとる「印象採得」というステップがあります。その際に歯科助手は印象材を正確に練って歯科医に手渡します。この実技が十分に身に付いていないと印象時に患者さんに不快感を与えてしまうだけでなく、不正確な冠や充填物が製作されます。

印象材を機械で練る時代に、こんな実技は必要?と思われるかもしれません。実は、この実技修得にはもう一つの目的があります。

吸引介助をする際、安定した俊敏な操作が可能になります。

3−3.訓練終了者に授与される【袖章】

導入教育を経て、訓練課程を終了した歯科助手は「OJTレベル50」としての左袖には金色の【袖章】をつけることが許されます。FDCの二人の大卒、歯科助手は、このような厳しい訓練を耐えた証しとして【袖章】をつけているのです。 FDCのハイテク診療は、これらのスーパーアシスタントによって支えられています。 (Photo―3)

Photoー3.金色の袖章

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導入教育を経て、訓練課程を終了した歯科助手は実技能力(OJT)に応じた袖章が与えられます。FDCの臨床は体系的な教育・訓練課程を終了した歯科助手によって支えられています。