16.FDC式むし歯・歯周病予防プログラム

1.予防とは病気に罹っていない人が、病気に罹らないようにすること

予防とは病気に罹っていない人が、病気に罹らないようにする事です。歯科の場合ですと、むし歯や歯周病に罹っていない人が、これらの病気に罹らないようにすることです。そういう意味では、すでにむし歯や歯周病になっている患者さんがホームケアとして熱心にブラッシングされても、これは予防しているではありません。「予防の定義」をしっかり認識しておきたいと思います。

2.予防は保険の給付外

保険制度は「う歯(むし歯)」や歯周病の治療をするための給付制度です。そのために予防は給付として認められていないために保険を利用することができません。

予防とは「う歯(むし歯)」に罹っていない歯、あるいは歯周病にかかっていない部位に対して、これらの歯科疾患にかからないための「予防技術」を提供することです。

3.保険診療で行なわれている口腔衛生指導は予防ではない

受診の際に歯科衛生士からブラッシングなどのプラークコントロール法の指導をうけると患者さんはむし歯や歯周病の予防をしてもらっているように錯覚されていますが、これらの行為は「口腔衛生指導」です。単純にブラッシングやフロシングの指導だけでは歯の弱い方や中高年以後の患者さんに十分な予防効果をあげることは極めて困難です。

現実に、ご自身の体験だけでなく2―4.定期検査の実態をご覧になれば「口腔衛生指導」だけでは十分な予防効果があがっていないことがよく理解できるでしょう。

しかし、この結果は当然のことで「口腔衛生指導」と「予防」では目的が異なるからです。

4.「口腔衛生指導」とFDC口腔衛生予防システムとの違い

しかし、今や患者さんは「口腔衛生指導=本来の「口腔衛生予防」とマインドコントロールされています。何度も申し上げますが「口腔衛生指導」と「本来の口腔衛生予防」とでは目的が大きく異なります。例えばFDCの【むし歯・歯周病の予防プログラム】はむし歯や歯周病にならないための「予防技術」に基づいたテクニカル・ノウハウをシステム化したものです。また、プログラムの目標は90才まで永久歯すべての歯を残存させる「めざせ9028」です。

5.「8020運動」と「めざせ9028」との目標の違い

80才で残存歯が20歯などという妥協的な目標ではなく、90才まで元気で歯も28歯すべてを残そうという「めざせ9028」の方が高齢化社会にふさわしい目標だと思います。認知症や寝たきりで歯だけが20歯残っても仕方がありません。歯があって心身が存在するではなく元気な心身が存在してこそ、歯の存在意義があるのです。

to be continued