FDC Now

・ウルトラ・ファインバブル(UFB)による除菌法運用開始

ご挨拶を更新。

4.2 細菌について

1)細菌という表現はアバウトですか?

FDCのHPではむし歯、歯周病の治療技術や予防技術の基本をわかりやすく理解して戴くために原因となる病原微生物を包括して細菌と表現しています。しかし、むし歯はむし歯の病源微生物名を並べ、歯周病なら歯周病に関与する細菌名を、その度にきっちりと記載して治療法を説明するべきである。細かく分類された多くの病原微生物に対して細菌などという安易な認識では治療の説明になっていない、というご意見もありそうですので、なぜFDCでは細菌と呼ぶかについて説明しておきましょう。

2)臨床家は細菌の分類学者ではない

まず確認しておきたいことは我々、臨床家は細菌の分類学者ではありません。細菌名をいかに多く知っていても患者さんを治すことができなければ臨床家は「ただの人」です。むし歯歯周病が感染症であり原因となる病源微生物については、すでに述べています。むし歯、歯周病 このHPは治療の実戦的な内容について述べていますので不要な修飾語は割愛しています。

さて、アバウトな表現と感じられた患者さんや臨床家にお聞きしたいことがあります。まず、アバウトであるというのであればご自身でむし歯や歯周病を治療中に「病巣の細菌をリアルタイムで鑑別検査」をしているのか、ということです。

3)治療に一般的な治療仮説は通用しない。

なぜ、このような質問をするかといえば、「治療は個別の問題」であって、一般論は通用しないということです。口腔内の諸環境はいうに及ばず、食事の在り方や年令、さらには現在服用中の薬、免疫機能の差などによってむし歯や歯周病の病原微生物を取り巻く環境は大きく変化致します。その結果、同じような病状進行度にみえる歯周病やむし歯であっても細菌検査をすれば個人の病巣に存在している細菌の種類や細菌数は大きく異なります。

4)歯周病であっても、すべての症例に代表的な病原微生物が存在するとは限らない

例えばFDCでは100例の歯周ポケット内のDNA検査を実施致しました結果、歯周病としては同じ進行度にもかかわらず歯周病の代表的細菌とされているPg菌をはじめA.a菌やP.i菌など代表的な病原微生物についても存在しないケースが一定の比率で見られています。このような検査事実から言えますことは一般論で歯周病なら、あるいはむし歯であれば、この細菌が必ず存在すると決めつけることは合理的な思考態度とはいえません。

5)歯周病とむし歯の病原微生物は混在して存在する

例えば歯周病の場合では代表的な病原微生物が存在しない場合、歯周病は成立しないということになります。そうではなく原因にはこれらの代表菌以外の病原微生物によるケースもあり、また歯周組織の免疫機能の過剰応答による場合も考えられる、という反論があります。さらに歯周病の病因は実に複雑な要素によって成立しているのだ、という非科学的な不可知論になります。そもそも感染症としての「歯周病の定義」とは何か?ということになります。仮説を何本も立てれば、どのような事象でも説明可能になります。しかし科学方法論では、このようなアバウトな事象説明は存在致しません。

病原微生物名を確認できない段階では歯周病の病巣部に存在している細菌なら歯周病の細菌、むし歯の病巣部であればむし歯の細菌と表現しても差し支えないでしょう。例えば抜髄後の根管内には歯周病に存在しているP.g菌やF.n菌が存在します。このように病原微生物は病名によって存在が明瞭に区分されているわけではありません。それゆえにFDCは「細菌」と表現しても特に問題は無いと考えます。

6)主役の細菌は組織成分と生存環境の安全性の違いによって異なる

病巣において最も多く存在し、活動的な細菌が主役です。なぜなら大量に増殖し、活動(代謝・分裂、移動)するためには多大のエネルギーを獲得しなければなりません。むし歯の深部、あるいは歯周ポケットの深部には、もはや食べかすが簡単に到達しない領域です。とすれば「何をエネルギー源にするのか?」当然、むし歯の細菌であれば象牙質、歯周病の場合は歯周組織を破壊し、これからエネルギーを獲得する以外に手段はありません。つまり、同じ歯周病であっても細菌の繁殖しやすい組織成分と細菌にとって安全性の高い生存環境の違いによって主役となる細菌は異なります。

7)制圧の標的細菌は主役の細菌

症状が悪化するということは増殖数が一番多く、活動的な細菌グループによって大量のエネルギーを奪い取られるために広範囲(深さも含めて)に歯や歯周組織が破壊され、現在も進行中ということです。当然、細菌は組織の破壊だけでなく細菌毒も広範囲に拡散するため激しい痛みや腫れによるダメージを宿主(人間)与えています。この事実は位相差顕微鏡検査をすればすぐに判明することです。FDCの治療は、当然、この主役細菌を標的細菌として制圧(溶菌・除去)致します。

8)病原菌除菌は好気性菌、偏性嫌気性菌、好気性菌の3群を対象

口腔内の微生物はこれらの細菌以外にウィルスやアーキア(古細菌)も存在します。たしかにレアなケースですが臨床では病源性ウィルスにつては十分な注意を払う必要があります。

しかし、むし歯と歯周病の診断と治療では好気性菌、偏性嫌気性菌、好気性菌の3種類の
細菌群制圧(溶菌・除去)について考えれば十分と考えています。

FDC式病原菌除菌の方法は@生存環境を奪う、A細菌構造を破壊する、B細菌・クオラムセンシングを阻害する、の3手段を臨床に取入れています。