FDCハイテク医療の考え方
1.年間の抜歯本数は1,328万本
FDCの診療コンセプトは歯を保存することです。そのためFDCの技術的関心は常に歯の保存に役立つハイテク技術の研究や技術開発にむけられています。さて、歯を喪失する原因の約70%が「う歯」と歯周病によるものです。これらの2疾患については早期の受診と治療の意識が広まっており、さらに近年では定期検査への受診も普及しています。しかし、現状はどうでしょうか?
国立保健医療科学院(安藤)の報告(2010年)によると、我が国の年間抜歯本数は【1,328万本(月間、抜歯本数からの推計)】となっています。約20万人の歯科医と歯科衛生士が1年間熱心に取組んでも年間1,328万本という大量の歯が日本人の口から失われています。なぜ、このように歯科意識が高まっているにもかかわらず毎年、このように大量の歯が失われているのでしょうか? それは「う歯」や歯周病に対して現在の臨床技術や予防法では限界があるのではないか、と推測されます。
2.細菌の可視化と定量化による診断精度の向上
いうまでもなく「正確な診断は治療や予防の基本」です。感染症のむし歯や歯周病の診断においては最も重要な情報は「原因となる細菌情報」です。さて、技術の世界では見る事が出来る、計る事ができる、というのが「技術の基本」です。そう致しますと「むし歯や歯周病の診断技術」と称するためには細菌を見ること(可視化)ができる、と共に細菌数を計ること(定量化)が可能でなければなりません。細菌の可視化も定量化もできない状態では正確な診断を下すことが困難ですので、以後の治療や予防において十分な効果をあげることは疑問です。
位相差顕微鏡検査は病巣部における細菌の種類や活動状態、あるいは白血球の抗細菌機能をリアルタイムに観察することができます。さらに精度の高いDNA検査は細菌の種類だけでなく、各々の細菌数を定量的に知ることが可能です。そこでFDCは14年前から正確な診断のためには精度の高い細菌情報が不可欠と考え、臨床に、これらの検査法を導入しています。
さて、これら2種の検査を14年間にわたって実施致しました臨床経験から言えますことは患者さん毎にむし歯や歯周病、あるいは感染根管治療など行なう前には必ず位相差顕微鏡検査によって病巣部の細菌の生態を観察することは「正確な診断と治療の基本」であるということです。またDNA検査だけでなく、グラム染色法によってグラム陽性かグラム陰性かの鑑別は言うに及ばず、病巣部において好気性菌、偏性嫌気性菌、あるいは微好気性菌などの検査技術を利用することにより診断精度が高まるだけでなく治療成績の向上にも結びつきます。
口腔内の細菌の種類は多種多様で、一見、安定して生存しているように見えます。しかし、細菌環境の変化にともない繁殖状況や生存領域などが変化致します。そのためFDCは重症の歯周病にはRed Complex(注1)という分類法があり3種の菌は含まれていると学説通りの診断は致しません。実際はどうなっているのか?まず病巣の細菌を可視化すると共に必要があれば細菌を定量化することでエビデンスに基づいた診断を心がけています。
また、診療の都度発生する重要な細菌情報をテンポラリーな利用で終らせないで患者さん毎に時系列的に動画データベース化(48,000検体)しています。この14年間のビッグデータを臨床画像と比較するなど多角的な検証によって診断技術の向上をはかっています。現在、FDCは耐性菌対策のための鑑別技術を向上するためにハイレベルの16SrRNA検査技術の導入に取組んでいます。
注1)Red Complex重症歯周病を構成している主要な3菌種 Porphyromonas gingivalis,Tannerella forsythia,Treponema denticola
3.分子生物工学の応用による病原菌除菌(溶菌)技術
感染症治療といえば常に抗菌剤による治療と定型化されています。しかし、今や抗菌剤の効かないスーパー細菌の存在に代表されるように細菌の耐性によって使える抗菌剤は極めて限定され、WHO(世界保健機関)も世界の医療関係者に近い将来、耐性菌に対する抗菌剤の開発が追いつかない旨の警告を発しています。今後、歯科においても安易に抗菌剤を使用することは耐性細菌を増加させ益々、治療が困難になります。そこでFDCは細菌の構造と機能によって細菌を分類し、ターゲット(標的)細菌を定め分子生物工学の応用技術によって「う歯」や歯周ポケットの細菌を制圧(溶菌)致します。この方法は制圧エリアとターゲット細菌を決めて実施しますので効果的であるのは当然ですが、施術範囲を数mm単位で行いますので身体負荷も大変少ない方法です。
4.細菌のクオラムセンシング抑止による治療技術
細菌は病巣部において一見、バラバラに行動しているように見えますが極めて合目的的な行動をとっています。細菌は宿主(ヒト)の組織に感染した後も単純に増殖せず免疫機構の低下を待ち、チャンスとみれば同種、あるいは他種の細菌との間に化学的通信システム(クオラムセンシング)を使用しながら連携して一斉にターゲット(標的)を攻撃します。細菌は、このように社会性をもっています。この事象は病巣部の細菌を位相差顕微鏡によって観察される事象と一致いたします。病巣からの細菌を制限条件下で培養されている細菌には予想できない生態です。そのためFDCは単に細菌を直接に制圧(溶菌)するだけでなく、間接的に(クオラムセンシング)を抑止することも効果があると考えられますので現在、様々な抑止技術の研究と技術開発に努めています。
5.レーザーによるハイテク治療
FDCは病原菌除菌(殺滅)にはレーザーの熱作用が有効であり、14年前から高出力のYAGレーザーを臨床導入しています。しかし、細菌は本来、熱耐性があるためこれを十分に考慮したレーザー照射技術が必要です。しかし、FDCがレーザー治療をハイテク技術と見なしているのは「熱作用」のような単純な機能だけではありません。レーザー光の「量子生物学的な作用」による組織細胞の活性化と組織内に沈着している細菌毒素を化学的に分解し組織の外に蒸散させる「蒸散作用」です。この2つの作用こそが歯科治療で画期的な役割を果たしています。
6.インプラント施術は先進医療?
冒頭に述べましたようにFDCは歯を保存するための技術を優先的に導入しています。一方、FDCでも1976年に第一号の患者さんのインプラントを施術し、今日なお、普通に咀嚼されています。しかし、歯科インプラントは高額の治療費が必要であり施術条件も歯科学的な条件だけではなく諸臓器の健康条件を満たす必要があるため最適条件の患者さんは限られています。すでに前述しましたように分子工学技術を応用することによって歯を保存する可能性は高くなります。定型治療でうまくいかなければ、一気に抜歯してインプラント施術によって死ぬまで十分咀嚼が可能と考えるのは少々、疑問が残ります。
なぜなら従来の診断・治療技術が十分に解明されていない状況で、後から植立するインプラントだけが別枠で長期間、問題なく初期機能が保てる合理的な理由を発展途上の歯科臨床に見いだすことは困難だからです。しかし、正確な診断技術と治療技術の信頼性向上に伴いインプラントも施術から技術としての技術体系が整い植立後のトラブルも低下すると考えています。
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