FDC Now

・ウルトラ・ファインバブル(UFB)による除菌法運用開始

ご挨拶を更新。

8.抜歯の判断基準

FDCが保存に努力する歯は残すに値する歯を対象としています。たしかに抜歯という処置には不安や歯を失う寂しさがあるでしょう。しかし、もはや治療の方法がなく腫れや痛みを繰返し咀嚼の妨げになる歯に対しては勇気を持って抜歯を決断しなければなりません。

健康は勇気ある決断によってのみ得られます。

1.細工的な意識で歯を残せば災いの種となる

むし歯の根の部分だけでなく、一見すると正常そうに見える末期歯周病の歯周組織にも多数のバクテリが存在しています。例えばむし歯の場合に歯冠が崩壊しても歯根があれば「杭(ポスト)を埋め込み」、その上に冠を被せれば修復可能と単純に考えがちです。

しかし、バクテリア制圧のされていない歯根に頑丈なポストを埋め込み冠や充填物を装着すれば痛みや腫れのために患者さんも転医先の歯科医の双方に大きな負担を強いることになります。

Fig−2.装着時から痛みの伴っているセラミック冠

1―2.歯根を残すか、否かの判断にバクテリア検査は必要

なぜなら歯冠部が崩壊するほどバクテリアに侵襲されているのに「歯根部分だけバクテリアが存在しない」とする考え方は象牙質の構造やバクテリアの生態に対する認識に欠けています。

肉眼でむし歯の箇所をしっかり削除したつもりでも「検査」をすれば健康そうな歯の部分にもバクテリアが存在しています。7.現代根管治療の問題点むし歯

2.執着による優柔不断は次の苦悩を招く

以上、抜歯の必要な理由を述べましたが、さらに抜歯の最適な時期を逸しますと骨髄炎の原因だけでなく、抜歯の際、長時間の難抜歯になる場合も少なくありません。その上、抜歯後も様々な不具合で苦労を致します。

FDCは永年の臨床経験からハイリスクが生じると判断する症例では十分な説明を行ない、納得して戴いて抜歯を行ないます。

3.抜歯の基準

FDCの判断基準は45年の臨床経験(転医例を含む)と、治療歯の「象牙質の構造と象牙細管内のバクテリア残存量ならびに残存菌種(Ph12.5以上)」により総合的に決定しています。

3−1.むし歯の場合

  1. 無髄死であって歯冠が3/4以上崩壊し、残存象牙質がFDC分類で「C」、また「C」に準じる場合。

    象牙細管の形態や構造が力学的に弱く、早期に破折などが生じます。【1−7.歯は平等に作られていない】

  2. 根管内から歯根表面に到る象牙質において複数箇所からバクテリアが大量に検出された場合。1.根尖性歯周歯周組織炎

    現在の臨床技術は広範囲の象牙質に感染したバクテリアを制圧することは不可能です。

  3. 支台歯にクラック(ひび)や破折が存在する場合。

    肉眼の治療では気づきにくいですが治療歯を拡大して観察しますと修復予定の歯にクラック(ひび)や破折が存在する場合があります。クラックが複数見られる歯は象牙質構造が「C」または「C」に準ずると考えられます。

  4. アムロジンなどの降圧剤を1年以上服用し、歯冠崩壊が4/5以上の場合。

    象牙質構造が「C」,または「C」に準ずる方は薬物の影響によると推定される管間象牙質の無機質の変化により強度の劣化がみられると共に多数のバクテリアが存在する。

一般的に歯冠部が崩壊した場合、前歯では根充後、ポストクラウン(差し歯)、臼歯ではコア などを装着して歯冠部を修復します。しかし、上記の場合は再治療のリスクが極めて高いた めFDCでは抜歯を行います。

3−2.歯周病の場合

歯周病における抜歯基準は一般検査に加えて、CT撮影、DNA検査、位相差顕微鏡検査などによって総合的に判断しています。第1に歯を支えている歯槽骨の量および歯槽骨の質により決めます。次に、歯周ポケットのバクテリア制圧後、新規に侵襲するバクテリアの増加速度や増加量から歯周組織の局所免疫性の低下状態、さらに中高年では免疫力が著しく低下しますので年令や全身疾患の病状なども重要な要素と考えています。

全身的な要素はバクテリア制圧や歯周外科手術の効果を上回る負の要因ですので歯科治療の範囲を越えていると考えています。今後、骨免疫学の進歩による新しい治療法が考案されるまでは以下の基準により抜歯いたします。

歯周病における抜歯基準

  1. 歯根が歯槽骨から離れており治療手段がない場合(第4度、末期)。

  2. 糖尿病など諸臓器の病状の悪化により歯周病の改善が見込めない場合。

  3. 高齢者で歯根周囲の歯槽骨が1/4以下で動揺が激しく咀嚼困難な場合。

  4. 歯の周囲の歯槽骨が1/3以下であっても歯周外科手術、あるいはバクテリア制圧、に同意されない場合。

  5. 炎症の再発を繰返し、ホームケアに非協力的で治療方針にも同意されない場合。

以上が「むし歯」、歯周病のFDCの抜歯基準となっています。